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見積もり金額の算出の仕方について

By   /  2014/09/09  /  2 Comments

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すでに売れている名前のある人には無縁の話かもしれませんが、名前が通っていないフリーランスのクリエイターにとって切実な問題は「幾ら請求するか」だと思います。

誰しも安売りはしたくないけれど、見積もり価格が高すぎては仕事に繋がらないこともあるので、果たして幾らが適正な価格なのか。アメリカと日本では多少の条件は異なるかもしれませんが、基本的な考えがアメリカのフォトグラファーMark Wallce氏によって解説されています。

かなり意訳の要約になりますが、まず最初に考えるのは、フォトグラファーやビデオグラファーもしくはクリエイターであるということは置いておき、ビジネス全般に通用する考えを当てはめます。(なお動画中では価格はドルとなっていますが、以下は大雑把に1ドル100円のレートとして円を単位にしています)

フォトグラファーの場合は、撮った写真やイメージが商品となる訳ですが、そのイメージに含まれるものとして、フォトグラファーの時間、経験、クオリティー、スタイル、そしてプリントやデータコピー用のCD/DVDなどのメディアが実際に顧客が受け取るものとなります。

この中で誰が撮影したとしても変わらないものに「時間」があります。その他の要素は人によって違いがありますが、誰がやっても1時間は1時間で同等です。そこから「ビジネスを行う上で必要な1日のコスト:Daily Cost Of Doing Business/略してDCODB(以下DCODBと表記)」を算出します。

どんなビジネスでもコストの計算は必須ですから、DCODBは基本となります。
ここでは家賃や光熱費、通信費、カメラやコンピュータなどの機材、レンタル経費、消耗品など様々な要素が入り、個人差もしくは組織の規模でリストは変わってきますが、これらの合計を1年間の実働日数(ここでは土日祭日は休みとして250日として計算)で割ることによってDCODBを出すことができます(カメラなどの機材は買い替えサイクルから1年間の経費を考えればよいでしょう)。

仮にDCODBが8千円とすると、1日8時間労働として、1時間あたりは千円となります。これが最低限必要なベースのコストとなります。動画中のMark Wallce氏は基本的に半日以上での計算をしているとのこと。

たとえば2時間の撮影でかかった場合、2時間分のDCODB(2千円)が最終価格ではありません。現場までの往復の移動時間、データをコピーしている時間、休憩時間を含め、その撮影に掛かった時間はすべて含めます。仮に半日(4時間)かかったとすれば、DCODBは4千円です。それにアシスタント、交通費の実費、レンタル機材、データ用CD/DVDなどを含めると、参考の価格は6700円です。これが最低限請求するベース価格です。このベース価格を下回る価格は実質赤字となるでしょう。

このベース価格に、色調整などのプロダクションコスト、レタッチなどのポストプロダクションコスト(外注なら実費)、その他のマークアップ(才能・人気度によって加算される金額と考えて良いと思います)、そして後述するライセンス価格の合計が最終的な価格となります。(マークアップは人によって大きく変わってくる要素でしょうね)

これに広告などのコマーシャル系の場合はこれにライセンス価格を上乗せするのが(欧米では)一般的です。

どういった規模・媒体で使用するかで変わってきますが、顧客がこの媒体に払う価格の割合をライセンス価格とします。

たとえば撮影した写真を4つの雑誌媒体、ビルボード看板、モールでのバナー広告などで使用する場合、顧客が広告媒体購入に必要な価格が4百万円とすると、10%ほどをライセンス価格(40万円)として設定します。
このパーセンテージは広告媒体の規模で変動し、たとえば地元の新聞への出稿など、小規模な場合は20%などとします。広告費が3万円の場合は20%で6千円となります。
逆に1億円ほどの媒体価格の場合はパーセンテージは3%と低くなりますが、ライセンス価格は3百万円となります。

また使用期間の長さでも価格は変わってきます。動画中では具体的な金額はでてきませんが、複数回もしくは長期間の掲載の場合は上記のパーセンテージに上乗せして計算すればよいと思います。

実際の撮影の前には顧客とミーティングをして、何を求めているかを明確にすることが重要です。どういう条件、機材、アシスタントが必要になるか、また最終的な使用範囲、期限で価格が変わってくるからです。

これからカメラマンなどをやっていく、全くの無名の人の場合にはプロモーション代わりに無料で仕事を取ろうと考える人もいるかもしれません。しかしMark Wallce氏は、「絶対にやってはいけないこと」と言い切っています。最低限ベースとなる価格は請求しないと、すぐにビジネスとして成り立たなくなるからです。

デジタルカメラや携帯電話の機能が向上するのに伴って、誰でもハイクオリティーな写真を撮れる機材を持っている時代ですが、プロとしてやるからには正当な価格は請求したいところですね。

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  • Published: 10年 ago on 2014/09/09
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  • Last Modified: 9月 10, 2014 @ 9:42 am
  • Filed Under: News
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