以前にエントリーしたイタリアのフィルム会社FerraniaがKick Starterで資金を募集しています。
フィルム製造のコスト削減のためには大規模にフィルムを製造する施設が必要ですが、その施設が取り壊しの機器に瀕しており、その存続のための資金調達とのことです。
現在、世界には大規模にフィルムを製造する会社はKodak、AGFA、Fuji Film、そしてFerraniaの4つとなりました。ここであらためて述べるまでもなく近年、デジタルカメラの普及でフィルムの需要は急速に縮小し、製造会社は急速に無くなりました。
しかしながらデジタルで撮られたデータにフィルムの粒状感を付加したり、色調整のプロファイルがフィルムを模したものだったりと、アナログフィルムの作り出す質感に対する需要はまだまだ高いものがあるように思います。
フィルムはコストが高くなってしまうのは否めないですし、一般ユーザーがフィルムカメラを使う機会は少なく、またクリエイティブ系の仕事のワークフロー自体がデジタルを前提に組まれていることが多い昨今、どこまで需要喚起できるかは難しい問題ではありますが、それ自体がメディアとなっているフィルムはデジタルとは異なる価値があると思いますので、無くなったら困るようにも思います。
以下は同社のフィルムで撮られた映画のワンシーン。大規模なフィルム製造のための施設の存続は、フィルム産業の次の100年のために必要だとのことですが、これらのイメージが古き良きフィルム時代の映画のイメージとなるのか、今後も続いていくのか、まずは施設が存続できることを祈りたいと思います。