低予算でも可能なビジュアルエフェクトのサンプルです。アイデア次第で色々できそうです。
この動画はThe Grindという映画の撮影を行ったVashi visualsによるもので、イラクの砂漠で軍用トラック・ハンヴィーを使った回想シーンの撮影で、問題はイラクに行く予算もハンヴィーも持っていないことだったそうです。幸いロサンゼルス郊外には砂漠があり、ハンヴィーも1:18スケールモデルが23ドルで売っていたため、それを使うことになったそうです。
動画中のハンヴィーのスケールモデルは全長30cmほど。カメラはパナソニックのHVX-170という1/3インチのセンサーを持つモデルで、これは絞りをF11にセットすると、レンズより30cmから無限遠はピントがほど合うことから、ハンヴィーをカメラより60cmほど、人物を12メートルほどの距離に配し撮影ができたようです。
この強制的遠近法(Forced perspective)と呼ばれる目の錯覚を利用した撮影方法はハリウッド映画でも多様されてきた手法で、スピルバーグの「未知との遭遇」でも、ロサンゼルス郊外のモハヴェ砂漠をゴビ砂漠に模して撮影しています。
この写真のシーンでは、船のモデルが約6メートル、人物は約400メートル離れているようなので、気軽にできる規模ではありませんが・・・。
最近では多くの場合、最初に考えられるのがCGIを使った撮影という、時間も労力も予算も必要な選択になりがちですが、工夫次第では非常に低予算で効果的なシーンの撮影は可能なようですね。
錯視を利用した低予算のビジュアルエフェクト
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