色のない世界に生きる人が、色を見ることができたらどんな写真を撮るのだろう。パナソニックが実現したようです。
パナソニックとインドの電通イージスネットワークは、色盲のカメラマンが色を見ることができる特別なファインダーを備えたLumixを開発しました。
インド出身のHizol Choudhur氏は色盲です。そのことがフォトグラファーになることの妨げにはなりませんでしたが、多くの困難と挑戦が必要だったようです。
赤錐体(視覚色知覚細胞)の欠如によって、赤系統や緑系統の色の弁別に困難が生じる人が多いといわれる先天性の症状を持つ彼は、商業写真家になることを決めた時、多くの同僚が「色を理解できないのに、どうやって写真を撮るんだ?」と言われたそうです。また大きな仕事が決まっても、クライアントは彼が色盲だと知ると、他の人を使うといったこともあったと言います。
そのため彼はチームを組んで、彼の写真の色が正しいこと確認できるようにしましたが、それは彼の独立性を損なうことでもありました。
そんななかパナソニックとインドの電通イージスネットワークは、#RightToColourキャンペーンの一環として、彼のために特別なLumix G90 / G95を作成しました。これは世界中に3億人ともいわれる色覚異常に苦しむ人々に耳目を集め、支援する取り組みです。
「初めてビューファインダーを覗いた時、怖いぐらいに素晴らしいかった。なんて言えばいいのかわからないけど、魔法にかかったみたいだ。素晴らしいよ」
このカメラは市販されている訳ではありませんが、こういった企業の取り組みや技術の進歩はより広がっていけばよいように思います。