中判、35mmフルサイズ、APS-C、4/3の4つのカメラのセンサーサイズが大判プリントでどれほど違いがあるかの検証です。
4つのカメラを同じ条件のシャッタースピード1秒、絞りF8.0、ISO200で、ほぼ同じ画角で撮影し、カラーキャリブレートにはdatacolorのSpyderx Studioを使用、キヤノンの大判プリンターimagePROGRAF PRO-2000でアート用紙で定評のあるHahnemuhleのインクジェットペーパーを使って印刷したものを検証しています。
カメラとレンズの組み合わせは以下のようになっています。
中判カメラ
50MPのハッセルブラッドX1D II 50Cとハッセルブラッド Lens XCD 45mm
35mmフルサイズカメラ
61MPのソニーa7R IVとタムロン35mm/2.8
APC-Sカメラ
24MPのソニーa6600とタムロン24mm/2.8
4/3センサーカメラ
20.3MPのパナソニックGH5とシグマ16mm/1.4
大判プリントで夜景という時点でセンサーサイズの小さなカメラには圧倒的に不利な条件ですが、どこまで違いがあるか。
画素数ではハッセルブラッドを上回るソニーA7RIVですが、センサーサイズ自体の大きさからくるダイナミックレンジの違いは・・・といった疑問はありますが、結局はセンサーサイズが大きいものが大判プリントでは有利と言えます。直接発光しているネオン管の描写力はハッセルブラッドが圧倒的です。
ただし三脚でじっくり撮影できるような場合だと、段階露光で合成したり、複数アングルのステッチングなどで足りない機能の補完も可能だとも言えます。
また屋内の撮影では、露出を屋内、人物、屋外に合わせた3つのパターンで現像ソフトで補正した場合のノイズの出方などを検証していますが、明るい屋外に露出を合わせた場合などは、人物が適正に見えるようにするに過度の補正をかけているので、補正後の画質はこれもセンサーのサイズが大きいほど有利な結果となっています。
単純に画質だけを追求すると中判カメラが有利なのは否めませんが、ただし携帯性などを考えると大きなシステムほど不利ですので、何を優先するかによってカメラのチョイスは変わってくるのはいうまでもありません。