日光写真を根菜のビートの汁で作る方法です。青写真(サイアノタイプ)の例もあります。
写真の印画紙といえば通常は銀塩を感光剤として塗布したものが一般的ですが、写真の黎明期では銀塩は高価だったため、様々な感光性をもった素材が利用されたようです。
植物を使ったものはアンソタイプ(Anthotype)と呼ばれ、カーネーションやスミレ、ポピーで作られたチンキを用いた手法がありました。これは英語のPhotographという言葉を作ったイギリスの天文学者ジョン・ハーシェルが1842年に発明したものです。
上の動画はフランス出身の写真家Mathieu Stern氏が根菜のビートの汁のみで作っているもの。
適当な紙にビートの汁を刷毛で塗っては乾かし、を3回繰り返し、透明フィルムに印刷したイメージ(ポジフィルム)を密着させて直射日光に7日間露光してできあがり。
解像度はかなり低いですが、独特の風合いと植物のみで作られるのが面白いとことです。
またこの他にも、いわゆる青写真と呼ばれるかつて設計図などの大判プリントで使われたサイアノタイプのプリントの動画もあります。
こちらのサイアノタイプも基本的な手順はアンソタイプと同様でですが、こちらは市販のサイアノタイプの溶液を紙に塗布し暗所で乾燥させたのち、透明フィルムにネガティブ反転して印刷した原稿を密着させ、日光で8分30秒露光、酢酸水で定着させています。
サイアノタイプは2つの液を混合したものを塗布します。これはクエン酸鉄(III)アンモニウム(Ferric Ammonium Citrate)とヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(Potassium Ferricyanide)の2つの溶液で、日本のアマゾンや米国Amazon、eBayなどで入手可能です。