キヤノンが動画撮影専用の35mmフルサイズの高感度CMOSセンサーを開発し、そのセンサーを搭載したカメラで撮影した動画を公開しました。
EOS-1DXなどに搭載されているCMOSセンサーに比べて、画素の大きさは7.5倍以上の面積(一辺19マイクロメートル)を持っているそうです。 新たなノイズ低減技術を開発した結果、人間の目では認識困難な三日月の明かり(0.03lux程度)の環境でも鮮明な動画撮影が可能とのことです。動画中の満月の光の動画はさらに処理を加えたもののようです(※なおプレスリリース中の文章中は三日月となっていますが、動画は満月の明かりで撮影していますね。ちょっと紛らわしい)
これまで天体の動画撮影で鮮明な画質を得るためには、スローシャッターで静止画を撮影してタイムラプス動画とすることなどで実現することが多いと思いますが、この新センサーでは動画撮影のままで星空が相当キレイに撮影されているので驚きです。かなり肉眼で見たままの状態(もしくはそれ以上)で撮影されている印象があります。
天体撮影では、これまでの三板式のビデオセンサーで撮影できるのが6等星程度であるのに対し、新しいCMOSセンサーでは8.5等星以上の暗い星の撮影が可能だとのこと(1等星分の違いにより変化する星の明るさは約2.5倍)。
このCMOSセンサーを搭載したカメラの試作機で、線香の光のみの室内(0.05~0.01lux程度)や、ふたご座流星群などが見ることができます。従来の三板式のセンサーとの比較では性能差は一目瞭然ですね。
「天体・自然観測や医療研究などでの活用や、監視・防犯機器などへの応用を検討する」とのことですので、この技術がいわゆる一眼系などのムービーカメラにどう活かされるのかは分かりませんが、将来の機種が楽しみになりますね。
日本語のプレスリリースのリンクはこちら。
それにしてもこの手の技術デモ系の動画はもう少しマシな作りにならないものでしょうかね。技術はすごいハズなのにワクワク感が全く伝わらないのが残念に思います。